2010年10月15日金曜日

不況で犬や猫手放す 近年増加、飼い主の高齢化も

 不況による経済的な理由や高齢化で、飼っていた犬や猫を手放す人が増えている。動物愛護団体やNPOには里親探しや保護を求める依頼が目立っており、関係者は「犬や猫も家族の一員。責任を持ってほしい」と啓発に力を注いでいる。
 上富田町朝来の動物愛護団体「ワンライフ」(島田香代表)は、飼い主のいない犬や猫を保護して里親を見つけている。保護匹数は収容能力の関係で年間約130匹。経済的な理由で飼育できなくなり、里親探しの依頼を受けた例は2005年まではほとんどなかったが、08年から目立ち始め、09年には全保護件数の約2割を占めた。これ以外に捨てられていた犬や猫は約6割を占めた。
 不況の影響を受けて手放す理由は、会社が倒産して家が競売に掛けられる▽引っ越ししてアパートに住む▽犬だけ置いて夜逃げした―など。里親探しにも影響しており、餌代や医療費など飼育費がかさむことで大型犬の里親が見つかりにくくなっている。
 ブリーダー(繁殖家)が病気になって、飼育できなくなったという事例もある。06年は三重県、07年は大阪府内であり、犬各約50匹を保護した。ワンライフは「家族の一員として、最後まで飼うことは飼い主の責任」と訴える。
 田辺市天神崎のNPOワンニャン会(中本宣子代表)には、里親探しの相談が犬と猫を合わせて年間100件以上寄せられる。6年ほど前から、高齢を理由に犬や猫を手放す人が出てきており、同会は「今後、高齢化で飼えないという問題が深刻化するのでは。犬や猫を飼う時は15?20年先のことを考え、犬種や匹数を決めて」と呼び掛ける。
 同会は、命の大切さなどを伝える出張講座を学校や地域団体などを対象に開いている。飼う前に考えてほしいことや、犬や猫の遺棄や動物虐待は犯罪であることなどを伝えている。啓発の意味を込め、講座を広めていきたいという。
 紀美野町の県動物愛護センターによると、県の施設で保護したり引き取ったりした犬や猫の殺処分数(和歌山市を除く)は近年減少傾向にあるものの、08年度は犬727匹、猫2577匹あった。同センターは「処分数はいまだに多い。ゼロに向けて啓発活動をしていきたい」と話している。
■24日、田辺で譲渡講習会
 県動物愛護センターは24日午後1時から、田辺市朝日ケ丘の西牟婁振興局(田辺保健所)で犬や猫の譲渡講習会を開く。参加は無料。
 田辺保健所での開催は初めて。同センター職員が犬や猫の殺処分の現状や譲渡の目的、正しい飼い方や不妊手術、しつけ方の基本を話す。
 譲渡を希望する受講者には、講習後に資格審査がある。
 問い合わせは同センター(073?489?6500)へ。

引用元:三國志 専門サイト

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